
<為替> 先週に続きドルが対ユーロで下落した。米連邦準備理事会(FRB)が先週、来年の利下げの可能性を示唆したことを受け、ドルは引き続き圧力にさらされている。
一方、日銀が18─19日の日程で金融政策決定会合を開く中、ドルは対円で上昇した。
FRBは先週の会合で金利据え置きを決定すると同時に、来年には金利が低下し始める可能性を示唆。パウエル議長は利下げの時期が次の問題だと述べた。これを受け、FRBが来年3月の会合で0.25%ポイントの利下げに踏み切るとの観測が高まっている。 もっと見る
トレーダーX(ロンドン)の市場アナリスト、マイケル・ブラウン氏は「ここ6週間ほど積極的なハト派的リプライシングが見られていたが、FRBはこれをけん制せず、金融条件がさらに緩むことを容認した」と述べた。
一方、欧州中央銀行(ECB)の政策担当者らは、来年3月の理事会までに金利を高水準に維持する必要性に関するメッセージを変えることはなく、6月以前の利下げも難しいと認識していることが関係筋の話で分かった。 もっと見る
フォレックスドットコムとシティーインデックスのグローバル調査部門責任者、マシュー・ウェラー氏は「ECBが早期に一段と積極的な利下げを余儀なくされるかは時間が経たないと分からないが、ECBが示している『金利を長期にわたり高水準に維持する』というスタンスに対し、市場は明らかに賭けに出ている」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数 は0.07%安の102.55。ユーロは対ドルで0.22%上昇。ドルは対円で0.51%高の142.935円。
円は11月に152円近辺と、対ドルで数十年来の安値を付けた後、約6%上昇。市場では、日銀の低金利が通貨に与える影響は長くは続かないとの確信が強まっている。
CMCマーケッツのストラテジスト、マイケル・ヒューソン氏は「日銀はこのセンチメントの変化を間違いなく歓迎する」とし、「来年早々の何らかの政策転換をほのめかすかもしれないが、現在の政策設定を変えようと考える動機は少なくなっている」と述べた。
英ポンドは対ドルで0.31%安の1.2641ドル。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインがほぼ横ばいの4万1612ドル。
NY外為市場:
<債券> 長期国債利回りが上昇した。米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁が市場の利下げ観測をけん制する発言を行ったことが材料となった。
13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエルFRB議長会見以降、金融引き締めは終了した可能性が高いとみて債券利回りは低下してきた。
しかし、グールスビー氏はこの日、金融市場でFRBが早期かつ迅速に利下げに踏み切るとの見方が急速に高まったことはFOMCの機能とは相反するものと述べた。 もっと見る
市場では、最初の利下げは3月、2024年12月までに141ベーシスポイント(bp)の利下げが行われるとみられている。
指標となる10年債利回りは3bp上昇の3.956%だった。
2年債利回りはほぼ変わらずの4.457%。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス50bpだった。
米金融・債券市場:
<株式> 上昇して取引を終えた。週内に発表される重要な経済指標を控え、市場参加者は来年の米利下げ期待の高まりを消化した。
幅広い銘柄が買われ、S&P総合500種(.SPX)とナスダック総合(.IXIC)が底堅い上昇を見せた。S&P500は終値ベースの最高値まであと約1.2%の水準となった。ダウ工業株30種(.DJI)はほぼ横ばいで引けた。
USバンク・ウェルス・マネジメントの投資ストラテジスト、トム・ハインリン氏は「市場はFRBが来年に利下げを開始するという方向に向かっている」とし、「インフレ、個人消費、労働市場などの指標には急速な悪化も過熱も見られず、ゴルディロックス(適温経済)のシナリオが続いている」と述べた。
FRB当局者からは市場の早期利下げ観測をけん制する発言が出た。シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は18日、先週のパウエルFRB議長の発言を受けて金融市場で早期かつ迅速な利下げの観測が急速に高まったことは、FOMCの機能とは相反するものと指摘。「われわれは将来について推論的に具体的な政策を議論することはない」と述べた。 もっと見る
また、クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、利下げ時期について金融市場はFRBより「やや先走りしている」との見方を示した。 もっと見る
それでもCMEのフェドウオッチによると、金融市場は来年3月のFOMCで25bpの利下げが行われる確率を63.4%織り込んでいる。
今週は21日に第3・四半期国内総生産(GDP)確報値、22日の個人消費支出(PCE)統計でPCE価格指数などが発表される。
S&P500の主要11セクターでは通信サービス(.SPLRCL)が上昇率トップ。一方、不動産(.SPLRCR)と公益事業(.SPLRCU)は下落した。
紅海で船舶攻撃が激化する中、供給懸念から原油価格が上昇し、最近の株高で出遅れ感のあったエネルギー株(.SPNY)を押し上げた。 もっと見る
個別銘柄では鉄鋼大手USスチール(X.N)が26.1%急伸。日本製鉄(5401.T)が約2兆円で買収すると発表した。 もっと見る
アップル(AAPL.O)は0.9%安。中国全土で同社のiPhoneなど海外製の端末を職場に持ち込まないよう職員に求める中国の政府機関や国営企業が拡大していると報じられた。 もっと見る
米国株式市場:
<金先物> 対ユーロでのドル安を手掛かりに買いが優勢となり、反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前週末比4.80ドル(0.24%)高の1オンス=2040.50ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> 紅海の治安悪化を受けた海上輸送の混乱を懸念し、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は、前週末比1.04ドル(1.46%)高の1バレル=72.47ドル。2月物は1.04ドル高の72.82ドルだった。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海南部のイエメン沖で商船への攻撃を続ける中、英石油大手BPは18日、紅海経由の石油輸送を全面的に停止すると発表。紅海の北端に位置し、欧州とアジアを結ぶ最短航路であるエジプトのスエズ運河管理当局は17日、 11月以降に55隻が紅海ルートを取りやめたことを明らかにしていた。
ロンドンの海上保険市場は紅海における「高リスク」指定のエリアを拡大。保険料の上昇や航路変更によって輸送コストが膨らめば、国際石油市場の需給が引き締まるとの観測が台頭し、朝方から買いが優勢となった。
また、ロシアのノバク副首相は17日、12月の原油輸出を一段と制限する可能性に言及。既に表明済みの日量30万バレル分に、5万バレルかそれ以上を上乗せする方針を示唆したことも買いに拍車を掛けた。
NYMEXエネルギー:
※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
NY市場サマリー(18日)ドル/ユーロ下落、利回り・株上昇 - ロイター (Reuters Japan)
Read More
No comments:
Post a Comment