
ドイツ銀行の4-6月(第2四半期)決算では、債券トレーディング収入が予想より小幅な落ち込みにとどまった。
26日の決算発表によると、債券トレーディング収入は前年同期比10%減。米銀勢の平均13%減を上回った。一方、経費は退職金と訴訟費用を反映してアナリストの予想を上回る15%増となった。
同行は25日遅くに、4億5000万ユーロ(約700億円)の自社株買い計画を発表した。
クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)はさらなる増収増益を約束しているが、トレーディング鈍化や金利上昇の恩恵が薄れつつある兆候はこの課題の達成を難しくし、同CEOは投資とコスト削減のバランスを取る必要に迫られている。
ドイツ銀は4月に英国のコーポレートブローカー、ヌミスの買収に合意したが、その前日には約800人のバックオフィス部門の上級スタッフを削減する計画を発表した。
第2四半期の主要な数字
単位100万ユーロ |
2Q 22 |
2Q 23 est |
2Q 23 actual |
前年比変化 |
総収入 |
6,650 |
7,114 |
7,409 |
+11% |
—投資銀行 |
2,646 |
2,252 |
2,361 |
-11% |
—コーポレートバンク |
1,551 |
1,840 |
1,943 |
+25% |
貸倒引当金 |
233 |
344 |
401 |
+72% |
金利外費用 |
4,870 |
5,517 |
5,602 |
+15% |
税引き前利益 |
1,547 |
1,369 |
1,405 |
-9% |
純利益 |
1,046 |
n.a. |
763 |
-27% |
通期収入について同行は26日、これまでの見通しレンジの上半分となる公算が大きいと、幾分楽観的な見方を示した。コーポレートバンクの勢いが、若干弱い投資銀行の見通しを補うとしている。ただ、経費は訴訟費用とヌミス買収によって増加する見通しだという。
ドイツ銀行とって2009年以来の大型買収となるヌミス買収は、アドバイザリー事業と引き受け事業が業界全体の低迷から立ち直ることへの賭けだ。
同行は、債券発行の回復によりオリジネーションとアドバイザリーからの通期収入が大きく増えるとの見通しを示した。ただ、同事業は投資銀行の中では比較的小規模で、トレーディングの比ではない。
先月には第2四半期のトレーディング収入が15-20%減るとの見通しを示したが、ゼービングCEOは下期の回復への期待も示した。トレーディングの減速を補うため、同行はコーポレートバンクとプライベートバンクに傾注している。第2四半期のコーポレートバンク部門の収入は25%増し、プライベートバンクは11%増だった。
ただ、金利上昇の恩恵を受けていた貸し出し事業の勢いが弱まる兆候が見られる。25日に発表されたリポートによると、ユーロ圏の企業の融資需要は第2四半期に過去最大の落ち込みを記録した。
ゼービングCEOは2025年までに収益性の指標である有形自己資本利益率(ROTE)を少なくとも10%にするという目標を掲げており、最近、この目標を上回る可能性があることを示唆した。
原題: Deutsche Bank Traders Beat Estimates as Cost Headwinds Build (1)(抜粋)
ドイツ銀4ー6月、債券トレーディング収入が予想より小幅な落ち込み - ブルームバーグ
Read More
No comments:
Post a Comment