米ダウ工業株30種平均は10日、前日比500ドル超高と急反発して終えました。7月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化し、利上げ懸念が後退したためです。その一方で、業績不安がじわりと強まり、このところ米国株相場が足踏みしていたのも気がかりです。インフレと金融政策、そして企業業績の関係は今後も焦点となります。
見通し引き下げ相次ぐ
米欧の証券会社などが米国株相場の見通しを相次いで引き下げています。米国内総生産(GDP)の実質成長率が2四半期連続でマイナスに陥るなど、景気後退色が強まっていることを重くみているためです。

生活必需品でも消費落ち込み
株価下落が携帯電話会社やディスカウントストアなど景気悪化の影響を受けにくい銘柄にまで広がり始めていたのは見逃せません。物価高が続いて生活が一段と苦しくなり、米国の消費者は無理にでも財布のひもを絞らないといけなくなっているようです。

半導体は在庫が重荷に
半導体についても業績不安が浮上しています。米大手マイクロン・テクノロジーは9日、業績見通しを下方修正しました。顧客の在庫調整が逆風になっています。

マネーは巨大IT銘柄に退避
米アップルなど巨大IT(情報技術)4社にはむしろ資金が流入しています。リスク回避姿勢を強める投資家たちが、「寄らば大樹のかげ」とばかりに、業績の安定度が高いこれらの銘柄に資金を退避させているためです。

ミーム株にはまだ勢い
ところが、米国株市場のムードが「総悲観」に振れているかというとそうでもないようです。日本でいうところの「仕手株」に相当する「ミーム株」の値動きはむしろ活発になっています。このところ米国では長期金利が低下基調にあり、株価の割高さが再び許容されやすくなっている、といった事情があるようです。
NY株急反発、くすぶる業績不安 注目記事まとめ読み(写真=ロイター) - 日本経済新聞
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