
<為替> ドルが下落し、6週間ぶり安値に沈んだ。10月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が12月会合でも利上げを見送る公算が大きいという見方が強まった。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は1.1%安の105.03。一時、9月20日以来の安値となる104.93を付けた。1日としては7月以来最大の下げを記録する勢い。週間でも1.4%下落し、同様に7月以来の大幅な落ち込みとなる見通し。
雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比15万人増と、市場予想以上に減速した。平均時給の前年比での上昇率は約2半ぶりの低水準に、失業率は3.9%に上昇し、2022年1月以来の高水準となった。 もっと見る
ドル/円は一時149.18円と、2週間ぶり安値を付けた。その後は0.8%安の149.315円。
週足ではドル/円は0.2%下落し、7月下旬以来最大の下げを記録した。
ユーロ/ドルは1.1%高の1.0735ドル。週足では1.6%上昇と、4カ月ぶりの高さとなった。
ポンド/ドルは6週間ぶりの高値となる1.2389ドルを付けた後、終盤は1.5%高の1.2381ドル。
1日としては1月以来の高い伸び。週間では2.4%高と、2022年11月以来の高さとなる見通し。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが低下した。10年債利回りが5週間ぶり、2年債利回りは9月初旬以来の低水準を付けた。
CMEグループのフェドウオッチによると、FRBが12月の次回会合で利上げを決定する確率は5%と、前日時点の20%から低下。来年1月の利上げの確率は11%と、28%から低下した。
この日のFRB当局者の発言では、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁が、10月の雇用統計で労働市場の逼迫が緩和していることを歓迎し、労働市場はより良いバランスにあると指摘。ただ、FRBの将来的な金融政策について発言する用意はできていないとした。 もっと見る
ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、FRBが追加利上げを検討する必要があるか判断するのは「時期尚早」との考えを示した。 もっと見る
10年債利回りは一時4.484%と、9月26日以来の水準に低下。週間ベースの低下幅は3月以来の大きさになる見通し。
30年債利回りは4.673%と、10月12日以来の水準に低下。週間ベースでの低下幅は2020年3月以来の大きさになる見通し。
2年債利回りは4.807%と、9月1日以来の水準に低下。週間ベースでの低下幅は9月初旬以来の大きさになる見通し。
2年債と10年債の利回り格差は一時マイナス40bpに拡大。その後はマイナス28bpに戻した。
財務省は来週7日に3年債(480億ドル)、8日に10年債(400億ドル)、9日に30年債(240億ドル)の入札を実施する。
米金融・債券市場:
<株式> 主要株価指数が上昇して取引を終えた。米雇用統計を受け米利上げ終了期待が高まり米債利回りが低下したことを受けた。
週間ではS&P総合500種が5.9%高、ナスダック総合が6.6%高と両指数とも2022年11月以来最大の上昇を記録。ダウ工業株30種は5.1%高で22年10月下旬以来の大幅上昇となった。
米雇用統計を受け、米債利回りは4営業日連続で低下。指標10年債利回りは5週間超ぶりの低水準を付けた。これが米株高を支援した。
米小型株で構成されるラッセル2000指数(.RUT)は2.7%高と大型株をアウトパフォームした。一時10月17日以来の高値を付けた。週間では7.6%上昇となり、2021年2月以来の大幅な上げを記録した。
シグネチャーFDの最高投資責任者(CIO)、トニー・ウェルチ氏は利回り上昇が失速するとの見方は借り入れに大きく依存している中小企業にとって特に朗報だと指摘した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合(.IXIC)は6日連続高、S&P総合500種とダウ工業株30種は5日連続高となった。
S&P500の主要11セクターの大半が上昇。不動産(.SPLRCR)が2.4%高と上げを主導。9月下旬以来の高値を付けた。
11セクターのうち下げはエネルギー(.SPNY)のみ。原油価格の下落を受けて1%超下げた。
ウェルチ氏は企業の利益率を拡大する中、堅調な決算内容が今週の株高を支援したと述べた。
ただ、アップル(AAPL.O)は0.5%下げた。2日に発表した年末商戦を含む第1・四半期(10─12月)の売上高見通しが市場予想を下回った。iPadとウエアラブル端末の需要低迷が響いた。 もっと見る
米決済サービス会社ブロック(SQ.N)は10.7%高。通期の調整後利益見通しを引き上げた。一方、フォーティネット(FTNT.O)は12.4%安。第4・四半期のさえない売上高見通しを受けた。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は一時6週間ぶりの安値を付けた。投資家の懸念後退を反映した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を5.55対1の比率で上回った。ナスダックでも3.56対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は120億5000万株。直近20営業日の平均は108億6000万株。
米国株式市場:
<金先物> 米長期金利の低下や対主要通貨でのドル下落を背景に、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比5.70ドル(0.29%)高の1オンス=1999.20ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> 中国の景気見通しに不透明感が広がったことに加え、中東情勢の緊迫化への懸念が 幾分和らいだことで売り圧力が強まり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比1.95ドル(2.36%)安の1バレル=80.51ドル。週間では5.88%安。1月物は1.93ドル安の80.23ドル。
NYMEXエネルギー:
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