
岸田文雄首相は24日、大手電力会社が政府に申請した家庭向け電気料金の4月からの値上げについて厳格な審査を指示した。首相官邸で開いた物価・賃金・生活総合対策本部で西村康稔経済産業相に伝えた。電力料金の抑制に向けた施策を3月に取りまとめるよう求めた。
値上げの審査を巡り「あらゆる経営効率化を織り込み、直近の為替や燃料価格水準を勘案するように」と指摘した。「4月という日程ありきではなく、厳格かつ丁寧な査定による審査をしてほしい」と言及した。
首相は1月の消費者物価指数が生鮮食品を除く総合で前年同月比4%超上がった点に触れた。電気料金の上昇抑制策を2月請求分から講じたものの「今後の見通しに国民や事業者の不安の声が届いている」と説明した。
中国電力や四国電力などは政府が認可する規制料金に関して4月からの値上げを申請している。東京電力ホールディングスと北海道電力は6月からの引き上げをめざす。燃料の調達価格の上昇が背景にある。
経産省の審議会が電力会社の申請内容の妥当性を審査し経産相が認可する。値上げ幅や時期は審査次第で変わり得る。
首相は飼料価格高騰への追加の対策も野村哲郎農相に要請した。「酪農や養鶏など農業者の負担を軽減する対策を具体化し、4〜6月期以降も見据えた激変緩和策を講じてほしい」と述べた。
2022年10月以降も据え置いている輸入小麦の政府売り渡し価格に関し「23年4月以降の激変緩和措置」を促した。
中小企業などの賃上げを後押しするため価格転嫁対策の強化を関係閣僚に伝達した。「原材料やエネルギーコストのみならず賃上げ原資も含めた適正な価格転嫁の慣行を定着させる」と語った。
【関連記事】
家庭向け電気料金値上げ「厳格審査を」 岸田首相が指示 - 日本経済新聞
Read More
No comments:
Post a Comment