ゴールドマン・サックス・グループのトレーダーらは10年余りで最高の収入を同社にもたらす見通しだが、意外なことにボーナスは減る見込みだ。コスト圧縮を迫られている経営陣がボーナスに充てる資金を減らすことを決めた。
トレーディングを手掛けるグローバル・マーケッツ部門の幹部らは今週、同部門の報酬プールが10-15%減ると伝えられた。事情に詳しい関係者が明らかにした。業界全体の予想にも同部門の好パフォーマンスにも反した動きだ。ゴールドマンの通年のトレーディング収入は250億ドル(約3兆3800億円)を超える見込みで、前年から15%増と見積もられている。

ジョン・ウォルドロン社長
Photographer:Paul Miller/Bloomberg
現時点での報酬についての協議は第一弾であり今後さらに調整される可能性があると、社内での協議であることを理由に関係者が匿名を条件に述べた。当初の反応を受けて既に、懸念の幾つかに対応するための対話が新たに始まっているという。
ゴールドマンの広報担当者はコメントを控えた。
2023年の業績見通しが多くのベテランにとっても不透明であることから、「緊縮」が今の銀行業界のムードになっている。投資家は慎重さを評価し、費用の高止まりへの許容度は低い。
ゴールドマンでは、コンシューマーバンキング事業参入の試みに予想を上回る費用がかかったことと、ディールメーキングなど他業務への世界的景気減速の影響が重なり、デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)とジョン・ウォルドロン社長は収益力維持の取り組みに追われている。
トレーディング以外の他の部門でもボーナスは減少する見込みだが、それぞれの事業の低迷を踏まえるとそれほど驚きではない。
投資銀行部門は同業他社について想定している約25%よりも大幅な減少を覚悟していると関係者が述べた。ボーナスがゼロのバンカーも100人を超える可能性があるという。
20年の新型コロナウイルス禍を契機とした活発なディールメーキングと資産価格の上昇という環境は今年に入って一転し、ゴールドマンの投資銀行業務の1-9月収入は45%減少、資産運用業務は71%の減収となった。

原題: Goldman Jolts Traders With Bonus-Cut Warning After Bumper Haul(抜粋)
ゴールドマン、ボーナス削減をトレーダーに警告-10年ぶり高収入も - ブルームバーグ
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