東京外国為替市場では円が対ドルで下落。日本銀行の金融緩和継続姿勢や米国の利上げペース鈍化観測の後退を背景に円売り・ドル買いが先行し、一時1ドル=148円台前半まで値を下げた。ただ、その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒や月末に絡んだドル売りもあり、下げ幅を縮める展開となった。
|
クレディ・アグリコル銀行資本市場本部の斎藤裕司シニア・アドバイザーは、「先週末にターミナルレート(利上げの最終到達点)が高めになるとの話が出たので、米金利もドルも上がりやすかった中、仲値のドル買いもあり、ドル・円は上昇した」と説明。その後は「月末のリバランスはドル売り優勢とみられ、買い一巡がドルが伸び悩んでいる」とした上で、ここからは「FOMC待ちで米金利次第」と話した。

11月1、2日開催のFOMCでは4会合連続となる0.75ポイントの大幅利上げが見込まれている。28日の米国市場では米経済指標で米金融当局がインフレとの闘いでわずかな成果しかあげていないことが示唆され、米国債利回りが上昇。米10年債利回りは4%台を回復し、31日アジア時間の取引では一時4.05%まで上昇した。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎アナリストは、「米国では利上げペース鈍化期待で金利が低下していたが、インフレ抑制の兆しが見えていない中、FOMCがここでタカ派姿勢を緩めるメリットは特にない」と指摘。もっとも「FOMCの結果を待ちたいというのもあるし、介入警戒感もあるため、ドル・円は急激に上がっていくというよりはじわじわという展開になる」と予想した。
日銀の黒田東彦総裁は金融緩和の維持を決めた28日の金融政策決定会合後の 会見で、「今すぐ利上げ、出口が来るとは考えていない」と述べた。
一方、財務省は31日午後7時に10月分(9月29日-10月27日)の為替介入額を公表する。21日のニューヨーク市場で実施されたという円買い介入は、これまで過去最大だったとみられていた9月22日を上回る 5.5兆円程度だった可能性がある。
森本氏は、ドル・円はもともと押し目買い意欲が強かったところ、黒田総裁のハト派発言を受けてドル買い・円売りが強まったが、21日には1日で6円近く円高が進んだため「警戒感は続いている」と指摘。「介入が怖いので高いところではあまりドル・円を買いたくないという思惑がある」と話した。
背景
(更新前の記事の第6段落のニューヨーク市場の日付は訂正済みです)
円は148円台に下落、米利上げ鈍化観測後退や日銀緩和姿勢で - ブルームバーグ
Read More
No comments:
Post a Comment