
三井物産は31日、極東の資源開発事業「サハリン2」の新たな運営会社への参画がロシア政府から承認されたと発表した。一方、ロシア政府は同日、サハリン2の新会社への出資について、三菱商事の参画を承認したと発表した。
三井物産、三菱商事ともに権益維持に向けて一歩前進したが、運用条件を決める株主間協定の交渉には少なくとも数カ月がかかる見通し。従来の権利がどこまで守られるか、正式な契約にはなお時間を要する。
参画企業がそろい次第、50%強を出資する国営ガスプロムなどと株主間協定の交渉を始める。三井物産と三菱商事の出資比率は旧会社と同じで、それぞれ12.5%、10%となる。
三井物産は同日、「国際社会の制裁措置に従いつつ、安定供給も踏まえて日本政府や事業パートナーと協議していく」とコメントした。三菱商事は「今後様々なシナリオを想定しつつ、関係者との協議を通じて株主間協定書の条件とそれに伴うリスクなどを精査していく」とコメントした。
2商社の出資の有無は日本の電気・ガス会社への供給契約とは直接関係ないが、液化天然ガス(LNG)の販売先や価格、定款変更など重要事項の決定への発言権に影響する。今後の交渉では日本側の不利益を回避できる枠組みを構築できるかが焦点になる。
旧会社に27.5%弱出資していた英シェルは2月に撤退方針を示している。ベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は7月末の決算説明会で「新会社へ出資する可能性は非常に低い」と話した。シェルが新会社への参画を見送れば、同社の持ち分相当の株式の売却先を決める必要が生じる。
ロシア事業は民間企業にとってリスクが大きい。政府の具体的な支援策も含めた官民の連携も重要になる。ある商社幹部は「キャッチボールを始めたばかり。今後どんな球を投げてくるのか」と警戒する。西村康稔経済産業相は三井物産の参画承認について「エネルギー安定供給の観点から非常に意義がある」と述べたうえで「政府としてしっかり応援していく」と語った。
一方、日本の電力・ガス会社は新会社とのLNG購入継続手続きを着々と完了している。東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERAは25日付で契約を締結。東京ガスと九州電力も30日までに更新した。調達量や調達価格などは従来通りだという。
ロシア側は5日に新会社を設立、旧会社から運営権や人員など事業を移管した。ロシア政府は旧会社に出資していた日本の商社や英シェルに対して新会社に参画するか1カ月以内に通知するよう要求。通知を受領してから3日以内に参画の可否を返答するとしていた。
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