
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、高インフレを抑えるため、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ないし75bpの利上げが議論されるとの認識を示した。
総裁は8日、プエルトリコ大学で講演後、記者団に対し「フェデラルファンド(FF)金利は約1.6%で推移しており、なお年末までに必要とされる水準を大きく下回っている」と指摘。7月26-27両日に開催される次回FOMC会合での利上げ議論について、「50ないし75(bp)が妥当」と述べた。
講演では、6月のFOMC会合での75bp利上げについて、「新型コロナウイルス禍の初期に取った非常に緩和的なスタンスから迅速に離れるという意味で極めて重要なステップだった」と指摘した。
また「今後の利上げペースや、どの水準まで引き上げるかの判断においては、経済が金融環境の引き締まりにどう反応するか、またインフレとインフレ期待、経済見通しがどう変化するかを注視していく」と説明。「われわれは政策へのアプローチにおいてデータに基づく姿勢を取り、機敏になる」と付け加えた。
この日発表された6月の米雇用統計では、雇用者数が前月比37万2000人増と、市場予想を上回る伸びとなった。この統計を受け、市場では次回FOMC会合で前回会合に続き75bpの利上げを決定するとの見方が強まっている。
米雇用者数、6月は予想上回る伸び-失業率は50年ぶり低水準付近 (3)
ウィリアムズ総裁は労働市場について「極めてタイト」だとし、金融当局の責務である最大限の雇用確保は「達成されている」と付け加えた。その上で、インフレ抑制を目的とした政策引き締めにより失業率はやや上昇するとの見通しを示した。
総裁は「米国の実質GDP(国内総生産)成長率については、今年は1%未満になると現在予想している。来年はやや改善し1.5%程度になるだろう」と述べた。その上で、「全体の成長が潜在成長率を下回るペースに減速することを踏まえ、失業率は現在の非常に低い水準から上昇し、来年には4%をやや上回る水準に達すると見込まれる」と述べた。
原題: Fed’s Williams Sees 50 or 75 Basis-Point July Rate Hike on Table(抜粋)
(第2段落に総裁の発言を追加し、見出しを書き換え更新します)
NY連銀総裁、50ないし75bpの利上げが議題に-7月のFOMC - ブルームバーグ
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