ソニーグループは29日、今期(2023年3月期)の連結営業利益予想(従来1兆1600億円)を1兆1100億円に下方修正した。ブルームバーグがまとめたアナリスト26人の予想平均1兆2007億円を下回る。ゲームソフトの販売減により同事業で減益を見込むことなどが影響する。
今期の業績予想 |
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同社の発表によると、自社制作以外のゲームソフトウエアの販売減少や米ビデオゲーム会社バンジーの買収関連費用で増加を見込むことなどがゲーム事業の減益につながるという。
十時裕樹最高財務責任者(CFO)は都内で会見し、主要な市場で新型コロナウイルスの感染縮小により外出機会が増加し、ゲーム市場全体の成長が足元で減速しているとの見解を示した。
今期のセグメント別営業利益予想 |
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今期の業績予想の前提となる為替レートも、1ドル130円前後(従来123円前後)、1ユーロ138円前後(同135円前後)と円安方向に見直した。
今期の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の販売台数目標は1800万台に据え置いた。十時氏はPS5供給が依然として十分でないことは「課題と認識している」とし、「1日も早く改善していきたい」と強調した。また、今後PS5の価格を値上げする可能性について、現時点で話せることはないとした。

ソニー本社のロゴ(6月29日)
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
第1四半期は増益
同時に発表した4-6月期の営業益は前年同期比9.6%増の3070億円となった。同四半期として過去最高の水準だった。金融や映画、音楽事業が増益となったことが貢献した。
同四半期のPS5の販売台数は240万台と1-3月期と比べ40万台増加した。十時氏はPS5の供給に影響を与えている要因には部品供給の問題と物流の遅延の2つがあると指摘。このうち、部品供給は「かなり改善」しているとの見方を示した。
一方で4-6月期には物流遅延の影響が出ており、ゲーム機本体の販売台数は同社の想定を下回っていたと述べた。年末商戦に向けた出荷体制を構築するため、製造販売の前倒しを進めていく考え示した。
4-6月期の業績 |
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4-6月期のセグメント別営業利益 |
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スマートフォン向けCMOS画像センサーが主力の半導体事業について、十時氏は中国のスマホ市場の回復は今期中には期待できないとの認識を示した。特に低価格帯から中価格帯製品の「需要減退が大きい」とした一方で、高価格帯向けの製品については現時点では需要に変化はなく非常に強い状況が続いていると述べた。
(会見での発言を追加して記事を更新します)
ソニーG、営業益予想1兆1100億円に減額-ゲーム事業の不振響き - ブルームバーグ
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