東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて調整色が残る中、日本の連休を前に実需勢のドル買い需要が相場を押し上げた。中国の景気リスクが警戒される中、同国株が上昇していることや人民元が下げ止まっていることが市場に安心感をもたらし、ドル・円やクロス円をサポートした。オーストラリアドル(豪ドル)は豪1ー3月期消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことを受けて上昇。
ハイライト |
---|
|

市場関係者の見方
スタンダードチャータード銀行金融市場営業部の江沢福紘エグゼクティブディレクター
- ドル・円は月末やゴールデンウィークを控える中で、実需中心にドル需要がしっかりとなったことが押し上げ要因になっている
- 日銀の金融政策決定会合を前にしたポジション調整が一巡したことや米金利が時間外取引で上昇していることも、ドル・円のサポートになっている
- 足元で懸念されていた中国の景気リスクも、中国株がいったん下げ止まって反発したことや、人民元下落が一服したことが市場に安心感をもたらし、ドル・円やクロス円の上昇に寄与している
マネックス証券資産形成推進室の相馬勉債券・為替トレーダー
- 東京時間ではゴールデンウィークを控える中で、実需や投資家によるドルの手当てなどが出ているとみられ、買いが優勢になっている
- ドル・円はFOMCを控え、引き続き持ち高調整の動きは出そうだが、下がったところでは買いも出やすい。朝方の127円割れを下値めどにもみ合うのではないか。少なくとも125円まで調整というイメージはなさそう
- あすの日銀会合は、連続指し値オペ通知で注目度が下がっており、変更がないことを確認する程度。来週のFOMCが焦点で、改めてドル買いとなり連休中の日本勢不在の中で130円を試す流れになるのではないか
ソニーフィナンシャルグループの石川久美子シニアアナリスト
- 豪CPIが大幅に予想を上回り、豪ドル買いで反応した。ただ、トリム平均値の3%超えはすでに市場で予想されていたことではある
- 市場の政策金利見通しはすでに2.35%までの利上げを織り込む状況の一方、豪中銀は賃金上昇の相対的な弱さや家計債務の大きさなどからインフレは一時的と慎重な姿勢を崩しておらず、豪ドルは上がっても上げ幅は限定的になりそう
背景
- 米10年国債利回りは時間外取引で一時前日比5ベーシスポイント(bp)上昇の2.7742%まで上昇。米主要株価指数先物は上昇
- 中国CSI300指数は一時前日比2.7%高。ドル・オフショア人民元は一時0.2%ドル安・人民元高
- オーストラリア統計局が発表した1-3月のCPIは前年同期比で5.1%上昇。CPIトリム平均は前年同期比3.7%上昇と、予想3.4%上昇を上回った
ドル・円上昇、連休前のドル需要や中国株の反発で-128円台前半 - ブルームバーグ
Read More
No comments:
Post a Comment