
3日の米株式相場は反落。2月の米雇用統計の発表を翌日に控え、テクノロジー銘柄を中心に売られた。ウクライナでの 戦争が経済にもたらす影響を見極めようとする雰囲気も強かった。原油相場は上昇が一服。
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S&P500種株価指数は一時の上昇を消してマイナスで終了。大型ハイテク銘柄で構成するナスダック100指数はより大幅な下げとなった。テスラやアマゾン・ドット・コムの大幅安が響いた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこの日、エネルギー価格の上昇がインフレに波及する公算が大きいと 述べた。ウクライナの戦争でマインドが悪化し、投資に悪影響が及ぶ可能性も指摘した。
S&P500種は前日比0.5%安の4363.49。ダウ工業株30種平均は96.69ドル(0.3%)安の33794.66ドル。ナスダック総合指数は1.6%低下。
シティー・インデックスのシニア金融市場アナリスト、フィオナ・シンコッタ氏は「商品価格の上昇は市場の大きな懸念材料で、スタグフレーション懸念をあおっている」と指摘。「エネルギー価格の高騰、経済成長の減速、インフレ高進という見通しは好ましくない」と語った。
米国債市場ではニューヨーク時間午後4時10分現在、10年債利回りが2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.85%。前日に米国債利回りが上昇する前に米国債は「極度の買われ過ぎ領域」に達したと、JPモルガン・チェースのストラテジストは 指摘した。
外国為替市場では、株の軟調を背景に逃避先通貨がしっかり。ドルは円やスイス・フラン、オーストラリア・ドルに対して下げた。ユーロは対ドルで4営業日続落。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。ニューヨーク時間午後4時10分現在、ドルは対円で0.1%安の1ドル=115円44銭。ユーロは対ドルで0.5%安の1ユーロ=1.1064ドルと、2020年5月以来の安値を付けた。
ニューヨーク原油先物相場は4日ぶりに反落。ロシア産原油を敬遠する動きが強まる中、イラン核合意再建を巡る交渉が近くまとまり供給が増える可能性があるとの見方が広がった。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、5日のテヘラン訪問によりイラン核合意再建に向けた「道が開かれる」可能性があると述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は前日比2.93ドル(2.7%)安の1バレル=107.67ドル。一時は116ドルと、2008年以来の高値を付ける場面もあった。ロンドンICEの北海ブレント5月限は2.47ドル下げて110.46ドル。
ニューヨーク金相場は上昇。金利上昇への懸念から一時下げたが、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う経済成長リスクがより強く意識され、逃避需要から金買いが優勢となった。
バート・メレク氏らTDセキュリティーズのストラテジストはリポートで、「スタグフレーションのショックの中では金は逃避先として圧倒的な存在となる」とし、ロシアによるウクライナ侵攻は「商品価格に重大かつ明白な影響を及ぼし、一段と継続的なインフレショックにつながる恐れがある」と分析した。
金スポット価格はニューヨーク時間午後3時18分現在、0.5%高の1オンス=1938.29ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は0.7%上昇の1935.90ドルで引けた。
原題: Stocks Finish Lower in Run-Up to Key Jobs Report: Markets Wrap(抜粋)
Havens Firm Amid Weakness in Shares, Oil Decline: Inside G-10(抜粋)
Oil Drops on Iran Deal Prospects After Touching 14-Year High(抜粋)
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【米国市況】ハイテク中心に株反落、米雇用統計を控え-原油高は一服 - ブルームバーグ
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