
自動車大手でロシア事業を見直す動きが広がってきた。トヨタ自動車は3日、ロシア西部サンクトペテルブルク工場での自動車生産を4日から一時停止すると発表した。ホンダもロシア向けの自動車やバイクの輸出を停止していると明らかにした。経済制裁による決済への悪影響や物流の混乱といったリスクを考慮し、各社は対応を急いでいる。
ロシアによるウクライナ侵攻でサプライチェーン(供給網)が混乱し、部品の調達が滞っているため、トヨタは生産継続が困難と判断した。トヨタは2007年からロシアでの生産を始めた。21年には約8万台を生産していた。ロシア市場向けの輸出も停止する。
ホンダはロシアに生産拠点を持たないが、米国からロシアにスポーツ用多目的車(SUV)「CR―V」を輸出していた。ロシアでのホンダ車の20年度販売台数は約1400台だった。バイクは日本やタイ、ベトナム、米国からロシアへ輸出しており、販売台数は年間約1500台だった。
マツダもロシア向けの自動車部品の輸出を近く停止する。ロシア東部ウラジオストクに現地メーカーとの合弁工場があり、ロシアでの21年販売台数は約2万9000台。現地での生産や販売は当面継続する見通しだ。
三菱自動車もモスクワ近郊の合弁工場で生産停止を視野に入れている。日本やタイからの部品供給が滞る恐れがあり、社長らの専門チームで対応を検討中だ。
日本自動車工業会によると、20年の日本からロシアへの輸出は乗用車が約8万6000台、二輪車が約1500台だった。輸出全体に占めるロシアの比率は乗用車で2・5%と小さく、経営への影響は限定的とみられる。
ウクライナ侵攻の影響は海外の自動車大手にも及んでいる。独フォルクスワーゲン(VW)は2日、電気自動車(EV)を生産するドイツ国内2工場の稼働を停止したと明らかにした。ウクライナから調達している部品の供給が滞ったのが理由という。
米ブルームバーグ通信などによると、独BMWもウクライナからの部品供給不足でドイツ国内の工場稼働を一部停止する見通し。ロシアでの自動車の組み立てとロシアへの輸出も停止するという。
トヨタ、露サンクトペテルブルク工場での生産を4日から一時停止 - 読売新聞オンライン
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